車検とブレーキ2007年11月19日 07時42分39秒

 急に寒くなりましたが、皆さんお元気ですか。えっ、水曜日に大騒ぎしたやつに言われたくない。はい、確かに。(^^;)
夕刊の釣りコーナーにあちこちで冬の釣りが盛んになり始めたような記事が載っていました。良い釣りシーズンですが、寒いので、できれば車の座席から釣りをしたくなりますね。
 釣り場に着いたら直ぐに竿を出す。後は、車の中で暖かくして、ウトウトしながら竿先に当たりが来るのをゆっくり待つ。
 実に贅沢、怠け者の釣りですが、ガツガツ魚を釣りたくないと言う人にはうってつけだと思います。

 車で釣りに行くわけですが、大事なことは安全運転。そこで、聞きますが、安全運転で一番重要なことは何でしょうか。
 無免許は許されません。
 飲酒運転は絶対駄目。
 もっと重要な事が有ります。整備不良車を運転しないことです。
 整備不良車を運転していたら、免許が有って、酒を飲んでいなくても、事故を起こす可能性大です。「止まれなかった」では済まされません。
 整備不良の中でも、一番注意しないといけないのがブレーキです。
 ブレーキは確実に作動しなければ車はなかなか止まりません。
 なにせ、1.5トンくらいの重さの物が時速数十kmで走るわけですから、それを止めるのはトンでもない重労働です。
 なのに、ブレーキは、多分一番無視される機能ではないかと、最近、気が付き始めました。

 車検時のブレーキ確認は目視で損傷が無く、止まれば良いのです。
 何か試験装置を使って性能や効率を検査する事は有りません。ブレーキテスターという機械が有り、その上に自動車を載せ、基準値の回転力でタイヤを無理矢理回そうとして、タイヤが回らなければ車検合格です。
 「一定の距離以内で急停止できる」という実値試験はしません。

 例えば、車を時速60kmで走らせて、急ブレーキをかけ、20.25メートル(この数字は工学上の数字ですが、事故の場合はこの数値を基準にするようです。)以内で停止しなければ駄目という実値検査はしません。

 この試験を行うとしたら、100m以上のテストコースが無いと試験できないでしょう。そんなテストコース車検場に有りませんし、試験自体、危険で仕方ないでしょ。数値は決まっていますが、実際にやることは不可能です。

 そこで、ブレーキの制動トルクを基準にして、車検OK、或いは、駄目の試験をするわけです。

 実値検査を実行しようとすると、大がかりな費用、装置が必要となりますので、検査を受ける費用が高額になりますから、現実的では有りません。
 
 どうやら、私たち、ユーザー一人一人がブレーキに気を付ける必要が有るようです。
 どうすれば良いかは、長くなりますので、次回より。

車検とブレーキ その22007年11月19日 22時23分06秒

 前回の、車検時のブレーキチェックの話を、一般の方(ブレーキを自分で確認しない人。私は自作測定器で測定しました)にしますと、必ず、「えっ、嘘」という返事が返ってきます。
 「車検が合格ならブレーキは最善の状態じゃないの?」と言います。
 確かに、制動トルクを基準にすればブレーキの制動能力は確認できます。だからと言って、制動距離の確認をしたわけでは有りませんし、事故を起こしたときの過失割合の算定基準になったりする、工学的な計算式と比べると、意外と甘い数字です。

 だからと言って、いい加減な検査をしている訳では有りません。運転者の性別、年齢、服装(特に履いているのも)、天気、その他の環境で制動距離は極端に変わりますから、これしか方法(制動トルク基準)がないでしょう。

 熟練の整備士さんなら、いろんな方の車のブレーキを見ていますし、ユーザーの方の事も良く知っていますから、そのままで良いか悪いか直ぐ判ります。
 しかし、整備士さんが、「このブレーキ危ないから交換しましょうとか、修理しましょう」とか言うことは、『余程酷いブレーキ』でなければ、ないようです。
 押し売りのように受け取られるので、『言いたくても言えない』と言う整備士さんも結構多いようです。ユーザーから整備士さんに、「ブレーキ見ておいて下さい」と言う事もないそうです。
 ユーザーの皆さんは「車検が合格ならブレーキは最善の状態」と思っていますから、当然と言えば当然ですが、かなり、不安ですね。

 何か目に見える方法で、整備士さんから、自動車ユーザーに、「ブレーキの現状」を言えるような方法を考えないと駄目ですね。
 なんと言っても、ブレーキは安全の要ですから。

 ブレーキはドライバーの目で見えないところにありますから、定期点検や車検時に、よく見て貰い、その結果を聞くようにしたいものです。
 少し費用がかかっても、運転中に「ヒヤリ」とするより良いでしょう。
 安全、安心をタダで手に入れる事はできません。

 この「ヒヤリ」ですが、ハインリッヒの法則というのが有りまして、3~4%の確率で事故に繋がるようです。タバコと肺ガンの関係より遙かに高い確率のように、私には見えます。

 ハインリッヒの法則に関しては次の機会にお話したいと思いますが、工場現場で働く人は殆ど、受講しています。