車検とブレーキ その22007年11月19日 22時23分06秒

 前回の、車検時のブレーキチェックの話を、一般の方(ブレーキを自分で確認しない人。私は自作測定器で測定しました)にしますと、必ず、「えっ、嘘」という返事が返ってきます。
 「車検が合格ならブレーキは最善の状態じゃないの?」と言います。
 確かに、制動トルクを基準にすればブレーキの制動能力は確認できます。だからと言って、制動距離の確認をしたわけでは有りませんし、事故を起こしたときの過失割合の算定基準になったりする、工学的な計算式と比べると、意外と甘い数字です。

 だからと言って、いい加減な検査をしている訳では有りません。運転者の性別、年齢、服装(特に履いているのも)、天気、その他の環境で制動距離は極端に変わりますから、これしか方法(制動トルク基準)がないでしょう。

 熟練の整備士さんなら、いろんな方の車のブレーキを見ていますし、ユーザーの方の事も良く知っていますから、そのままで良いか悪いか直ぐ判ります。
 しかし、整備士さんが、「このブレーキ危ないから交換しましょうとか、修理しましょう」とか言うことは、『余程酷いブレーキ』でなければ、ないようです。
 押し売りのように受け取られるので、『言いたくても言えない』と言う整備士さんも結構多いようです。ユーザーから整備士さんに、「ブレーキ見ておいて下さい」と言う事もないそうです。
 ユーザーの皆さんは「車検が合格ならブレーキは最善の状態」と思っていますから、当然と言えば当然ですが、かなり、不安ですね。

 何か目に見える方法で、整備士さんから、自動車ユーザーに、「ブレーキの現状」を言えるような方法を考えないと駄目ですね。
 なんと言っても、ブレーキは安全の要ですから。

 ブレーキはドライバーの目で見えないところにありますから、定期点検や車検時に、よく見て貰い、その結果を聞くようにしたいものです。
 少し費用がかかっても、運転中に「ヒヤリ」とするより良いでしょう。
 安全、安心をタダで手に入れる事はできません。

 この「ヒヤリ」ですが、ハインリッヒの法則というのが有りまして、3~4%の確率で事故に繋がるようです。タバコと肺ガンの関係より遙かに高い確率のように、私には見えます。

 ハインリッヒの法則に関しては次の機会にお話したいと思いますが、工場現場で働く人は殆ど、受講しています。

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