ロータリーエンジン2007年09月04日 07時33分03秒

 九州に行ってましたので、お久しぶりです。
 
 熱力学から考えると(大げさ?)、ポンプになる物は、大体、エンジンとして使えます。
単純に考えて、外からの回転力(電動モーターみたいな物)で動くのがポンプ=コンプレッサーで、燃料を使って自発的に動くのがエンジンです。吸気、排気、圧縮、燃焼、膨張という工程(動き)ができれば、エンジンになります。多少違うものは有るかも知れませんが、そういう特別な物は無視しましょう。
 ロータリエンジンはエンジンが1列の場合と2列の場合が有ります。2列の方が遙かに振動が少なく、音も静かですので、殆どが2列です。3列、4列でも良いのですが、レースカーの様な特別な場合でないと、意味が無いです。

 ローターリーエンジンはロータリーポンプをエンジンにしました。但し、ローターの形状に特徴が有ります。
 ローターの形状を三角お結びの形にした事が今の高性能をもたらしたようです。勿論、他にも、アペックスシール等素晴らしい発明が含まれています。
 三角お結び型ローターの話に戻りますが、これによって、1個のローターで3カ所の燃焼室ができるようになっています。三角(お結び)の各辺がピストンの役目をします。おまけに理論上は2サイクルです。
 
 4サイクルエンジンとは圧縮、燃焼、膨張、でエンジンが1回転し、2回転目はその勢いで、吸気、排気を行います。ですから、エンジンの回転が2回転して、燃焼(この時だけエンジンは仕事をします)が1回有ります。
これに対し、2サイクルエンジンは膨張の終わる頃に排気を行い、圧縮の始まりに吸気を行いますので、エンジンが回転するたびに燃焼が有ります。
 ですから、理屈では、同じ排気量(大きさという方が解りやすいかも知れません)のエンジンの場合、2サイクルは、4サイクルより2倍の仕事をします。但し、燃料も2倍使いますので、効率は変わりません。良い点は2サイクルエンジンは4サイクルエンジンの半分の大きさで、同じ馬力が出るという事です。

(4サイクル、2サイクル、について、詳しく知りたい方はインターネットの4サイクルエンジンで検索して見て下さい。)

 従って、2列のロータリエンジンは三角お結び型のお陰で、ピストンエンジンに置き換えると6気筒エンジンとなります。おまけに、2サイクルエンジンですから、4サイクルのピストンエンジンですと12気筒エンジンと同等となります。1930~1940年頃の戦闘機用エンジンみたいです。
 但し、残念ながら、燃費は変わりません。同じだけ燃料を食います。又、形状が複雑なため、外部に逃げる熱が多いので、熱効率は落ちます。
 しかし、小型、高出力ですから、自動車全体を軽く、小さくできますから、加速や停止の時は有利です。

 エンジンの実験をしていた頃、課長から「ディーゼルでロータリーエンジンを作ったらどうなると思うか」と質問され、「熱効率に問題が有りますから無駄だと思います」と答えたのは今でも覚えています。30年以上前で、ガソリン代が150円/Lの時の話です。

今ならどう答えたでしょうか。