ディーゼルエンジンの燃費が良い理由2007年08月10日 07時45分43秒

 前回(8月8日)の続きです。
 エンジンが、吸い込んだ空気を圧縮して高温にして、燃料を噴射して、燃焼(爆発)すると、一段とシリンダー内の空気は高温になります。
 この結果、PV/T⇒一定
 のTが大きい数字になりますから、PVも大きくなります。(Tが2倍になったら、PVも2倍という意味です)その上、上死点付近で燃焼が起こりますから、Vの数字はエンジンの動きの中で一番小さい時です。その為、Pは一番大きい数字になります。
 
 私が担当したエンジンだと100気圧(自動車のタイヤが2~2.4気圧)くらいになりました。この圧力でピストンを押すのですから、大きな回転力を得る事が出来ます。自転車で考えればピストンは人の足で動くペダルです。足でペダルを踏む力が圧力となります。

 逆にTが小さいとPVも小さくなります。同じエンジンの上死点ならVも同じですから、P(圧力=自転車での人の足)が小さくなります。自転車でいうとペダルに加わる力も小さくなります。
 
 これで、同じ燃料の量なら燃焼(爆発)時の温度が高いほど大きな力が得られる事になりますので、燃費が良くなります。

 以上は吸い込んだ空気の量が一定という事が前提です。これって、あたりまえなのですが、結構、重要な事なのです。